SALT2
INTERVIEW / AI Development Bootcamp

25年ぶりの開発で、改めて「設計が9割」だと気づいた

堀新一郎

堀新一郎

代表取締役(前職:Z Venture Capital)

AI駆動開発ブートキャンプ
Q.

これまでのお仕事について教えてください。

現在はAIコンサルティング会社の代表として、会社の経営とクライアントワークを行っています。また、親会社であるboost capitalのベンチャー投資責任者として投資業務やアドミニストレーションも担当しており、事業計画、営業、リサーチ、資料作成、管理業務など、扱う仕事は多岐にわたります。

前職ではベンチャーキャピタルに在籍し、投資業務や投資先の経営支援に携わっていました。

プログラミングについては、大学時代や新卒時代に経験がありました。ただ、システム開発へ本格的に取り組むのは約25年ぶりで、当時と現在ではシステムの構成や開発手法が大きく変わっています。

受講前からAI駆動開発には関心があり、Claude codeを導入して日程調整アプリなどを自分で作っていました。しかし、AIに何度指示してもエラーが解消されず、SerenaやCodexなど複数のツールを試しても、完成度の低い状態から抜け出せませんでした。

自分でリリースしたアプリも、公開後にエラーが絶えず、AIを使えば簡単に開発できると思っていた分、かなりストレスを感じていました。

Q.

実際に受講してみて、最も印象に残ったことを教えてください。

スプリントが3回あり、毎回違う学びがあったことです。

最初に、プログラミングやシステム開発の基礎概念、テスト駆動開発などをテキストで学び、その後、AIを活用しながら実際に開発を進めました。

事前学習で多くの内容を短期間に理解するのは大変でしたが、約25年間でシステムアーキテクチャや開発方法がどのように変わったのかを、一気にキャッチアップできたと感じています。

ペルソナを考え、要件を定義し、設計し、テスト駆動で小さく機能を作っていく。そうした一連のプロセスを順番に経験したことで、現代の開発がどのような考え方で進められているのかを体系的に理解できました。

単にAIにコードを書かせるのではなく、開発の進め方そのものを学び直せたことが大きかったです。

Q.

AIを使った開発について、どのようなことを学びましたか?

AIは、適切な前提やルールを与えると、ベストプラクティスに沿って非常に多くの作業を自律的に進めてくれます。

研修では、要件定義から設計までをAIと対話しながら進め、実装後の接続テストも含めてAIに実行させました。

受講前は、アプリを作りたいと思ったら、すぐにAIへ実装を依頼していました。skillsやルール定義などの設計ドキュメントは作らず、その場で指示を追加しながら開発を進めていました。

しかし、研修では先に設計を固め、AIが参照すべきドキュメントや守るべきルールを用意します。その環境を整えた上で開発を進めると、AIの動きが安定し、成果物の品質も大きく変わりました。

AIの性能だけではなく、AIが正しく作業できる環境を人間が設計することが重要だと実感しました。

Q.

特に印象に残っている出来事はありますか?

最初のスプリントで完成したアプリを触ったとき、ほとんどエラーが出なかったことです。

受講前に自分で作ったアプリは、リリース後もエラーが絶えませんでした。そのため、完成したものが最初からほぼ問題なく動いたことに感動しました。

違いは、実装に入る前の設計にありました。

研修では、要件定義やペルソナ設計、データ構造、機能の分割などに多くの時間を使いました。また、テスト駆動で小さな単位に分けながら開発したことで、問題を早い段階で確認できました。

以前は、設計ドキュメントをほとんど作らず、AIとのやり取りだけで開発を進めていました。エラーが絶えなかったのは、AIの問題だけではなく、自分が設計を省略していたことにも原因があったと気づきました。

「設計が9割」と言われる意味を、改めて体感できたと思います。

Q.

この学びは、開発以外にも通じると感じましたか?

設計が重要なのは、システム開発だけではありません。

事業計画やコンサルティング資料を作る場合でも、最初に目的、対象者、必要な情報、アウトプットの構成を整理しておくことで、その後の作業品質は大きく変わります。

研修を通じて、AI駆動での設計には一定の型があることも学びました。何となく考えるのではなく、順番に論点を整理し、必要な成果物を定義してから実行へ移る。その考え方は、経営やコンサルティングを含むすべての仕事に応用できると感じています。

Q.

受講後、仕事にはどのような変化がありましたか?

Claude Codeを、開発に限らずあらゆる業務で使うようになりました。

コンサルティング用の提案資料を作成したほか、スタートアップの事業計画、Boost Consultingの事業計画、提案用のリサーチ、投資管理用のダッシュボードアプリ開発などに活用しています。

特に役立っているのは、コンサルティングワーク全般です。

CursorのWorkspaceに過去の提案資料や議事録、社内資料、市場調査の結果などを読み込ませ、AIが参照すべき情報や作業ルールを設定しています。必要なコンテキストが同じ環境に揃っているため、それらを統合しながら、新しい提案や資料を作れるようになりました。

受講前は、AIと一つずつ対話しながら作業を進める感覚でした。現在は、一つのWorkspaceの中でAIの動きを設計し、複数のアウトプットを同時に作らせる感覚に変わっています。

Q.

複数の仕事を並列で進められるようになったということでしょうか?

以前であれば難しかった仕事の進め方が、現実的になりました。

例えば、あるスタートアップの事業計画を一から作りながら、同時にBoost Consultingの事業計画を作り、営業資料やダッシュボードも進めるといった働き方です。

人間がすべての作業を順番に処理するのではなく、必要な前提や資料を用意した上で、複数のAIエージェントに作業を進めてもらえます。

自分は各成果物の方向性を判断し、途中の内容を確認しながら、必要な指示を追加します。経営者として複数の業務を抱える中で、作業を並列化できるようになったことは非常に大きな変化です。

研修で学んだ開発環境の設計やAIの制御方法が、そのまま日常の仕事の進め方に活きています。

Q.

このブートキャンプは、どのような方におすすめしたいですか?

ビジネスパーソンを含め、すべての人におすすめしたいです。

今後は、AIの使い方を知っているかどうかで、個人のパフォーマンスに大きな差が生まれると思います。それは単に作業が速くなるという話ではなく、市場価値や評価、給与にも直接影響する可能性があります。

YouTubeなどを使って独学することもできますが、日常業務をしながら、自分一人で学習を継続し、実践まで進めるのは簡単ではありません。ブートキャンプでは、毎週のタスクを他の受講者と同じタイミングで進めるため、周囲から刺激を受け、互いに切磋琢磨しながら取り組めます。プロの現場で実際に使われている開発プロセスやAI活用のノウハウを体系的に学べることも、独学では得られない価値です。

学べる機会があるのであれば、できるだけ早く取り組むべきだと思います。